思考力

思考力が高い人と聞くと思い浮かべやすいのは、受験数学が得意な人とかが身近で思いつきやすいと思うが、果たして思考力をもっと具体的に落とし込んで言語化するとどうなるだろうか。

思考力が高いとは、具体的事象を言語を用いて抽象的にカテゴライズする能力が高い人であると思う。

自分は、受験数学で言うと同級生50万人中200番以内には入っていたと思う。凡そトップ0.04%ぐらいである。ただ数学に費やした時間で言うとせいぜいトップ1万人ぐらいだと思う。じゃあ、その差はどこでうまれるか。それこそが抽象化やカテゴライズの力である。自分は、問題を解いて解説を見る度に毎回意識的に仮説を立てるようにしていた。例えば「空間図形で距離を扱う問題は、適切な回転軸を設けて2次元化する。」「n次方程式の解の複素数平面上での図形の問題は、①係数や次数で偶関数奇関数、共役複素数の利用を試みて、その後で解と係数との関係から攻める」などである。恐らく200個ぐらいはノートにストックしていたと思う。こういう仮説を立てたらなぜそれが有効なのかを考える。前者で行くと2次元では表現出来る図形の方程式が多いからという理由にたどり着いた。後者は、使う文字を予め減らせるからという理由にたどり着いた。数学の具体例じゃ理解しにくい人のために最近解いたケーススタディの1例もあげておく。マックの売上向上施策として、自分は夜、フロアの一部をカフェ形式にして勉強環境の提供とディナーメニューの考案をあげた。これを抽象化すると、「飲食店の占有率が低い状態は、顧客のニーズや他店の利用状況を鑑みて施策を導入すべきだ」となる。こうすることで具体的な事象から今後新たに遭遇する問題(これをいきなりステーキに変えても同じような施策は思いつくということ)をいつでも解くことが出来るのである。ここで大切なのが言語を使うということだ。例えば、今頭の中で三角形を想像して見てほしい。恐らく鋭角三角形か鈍角三角形のどちらかのみを想像しただろう。これはMECE(コンサル用語使いたい盛りですいません)過不足ない状態ではない(直角三角形の人は変人)図やグラフの利用は、思考と表現の齟齬が大きいため不向きなのである。思考と表現の齟齬、理解のしやすさという2軸が大切でありその2軸を上手く満たすツールは今のところ人間が持ちうる中で言語しかないのである。だから、言語を用いて具体的事象を抽象化、カテゴライズすることで新たな問題を解く手がかりにするということが思考力なのである。もっと平たく言えば、過去の経験を上手く使う人が思考力が高いと言える。